商品開発のアイデアを出す方法は?8つのテクニックと成功につなげるためのポイントを解説

商品開発は企業の成長に欠かせない重要なプロジェクトです。しかし、「商品開発を任されたが、良いアイデアが思いつかない」「会議をしても、ありきたりな案ばかりで議論が深まらない」と悩む企業担当者も少なくありません。
商品開発のアイデアを生み出すには、闇雲に考えるのではなく、思考を広げるためのフレームワークや効果的なテクニックを活用することが重要です。
この記事では、商品開発のアイデア出しに使えるテクニックを解説します。
商品開発のアイデアを出す際のポイント

商品開発のアイデアを出す際のポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- 最初から実現可能性にとらわれない
- 質よりも量を優先する
- 他社の事例を調査する
それぞれの内容を解説します。
最初から実現可能性にとらわれない
アイデア出しの初期段階では、技術的なハードルや予算などの実現可能性にとらわれないことが重要です。最初から実現可能性を考慮すると、思考が狭まり無難なアイデアしか出てこなくなるからです。
まずは自由な発想でアイデアを広げましょう。一見不可能に思える突飛な案の中から新商品のアイデアが見つかる可能性があります。
たとえば「利用者が操作するのが当たり前」という前提を疑い、操作を極力不要にした体験を想定します。その結果、自動化やサポート機能に価値を置いた新しい商品・サービスの発想につながることがあります。
現実的な落とし込みやスクリーニング、分析などは、アイデアを出しつくした後に行いましょう。
質よりも量を優先する
商品開発のアイデアを出す際は、質よりも量を優先しましょう。最初から完成度の高い案を出そうと身構えると、批判や失敗を恐れてアイデアが広がりにくくなります。
アイデアは最初から単体で完成している必要はありません。複数の案を並べて比較したり、異なる要素を組み合わせたりする試行錯誤の過程でアイデアは磨かれていくものです。
たとえ単体では価値がないように見える思いつきでも、別のアイデアと結びつくことで有効な商品案に発展するケースもあります。
まずはチーム全体でアイデアの総量を最大化させることに注力しましょう。
他社の事例を調査する
他社の成功事例を調査し、アイデア出しの参考にしましょう。市場ですでに受け入れられている商品を分析すれば、顧客の課題やニーズを捉えた独自の工夫など、商品開発に役立つ多くの視点を得られるからです。
自社と同じ業界だけでなく、まったく異なる業界の事例にも目を向けることで、新しい発想が生まれやすくなります。たとえば、カプセルトイの何が出るかわからない仕組みを、旅行プランや飲食店のメニューに応用することで、エンタメ性を高めるアイデアを生み出せます。
単なる模倣にならないよう成功の理由を分析し、自社流にアレンジして活用しましょう。
商品開発のアイデア出しに使えるテクニック

商品開発のアイデア出しに効果的なテクニックとして、以下が挙げられます。
- ブレインストーミング
- 逆設定法
- 複合連結法
- ブレインライティング
- オズボーンのチェックリスト
- SCAMPER(スキャンパー)法
- 7つの不
- マンダラート(マンダラチャート)
それぞれの詳細について解説します。
ブレインストーミング
ブレインストーミングは、複数人のメンバーが集まり、アイデアを出し合う会議の手法です。質より量を重視し、発想の幅を広げることを目的として行われます。
ブレインストーミングは、特定のテーマを設定することから始まります。参加者はテーマを元に、思いついたアイデアを付箋に書き出したり口頭で発表したりして、意見を自由に出し合います。参加者の発言をヒントに、さらに発想を膨らませていくのがブレインストーミングの特徴です。
会議の場では、活発に意見が出るよう以下のようなルールを設けるのが一般的です。
- 立場を気にせず話してよい
- 他人の案を否定しない
- アイデアが実現できるかは気にしなくてよい
条件に縛られず自由に意見を出し合えることから、方針が決定される前の商品開発の初期段階で用いられることが多い手法です。
逆設定法
逆設定法とは既存の商品や常識に対してあえて真逆の条件を設定し、新しい価値を見出す発想法です。これまで当たり前だと思われてきた条件を疑うことで、考え方の幅が広がり、新しい発想が生まれやすくなります。
たとえば、小売店のレジでは店員が接客するのが一般的ですが、「接客しない」と設定することで、無人店舗やセルフレジのアイデアにつながります。
逆設定法は既存商品の改良だけでなく、これまでにない商品の開発を目指す際にも有効な手法です。
複合連結法
複合連結法とは、関係のない2つ以上の要素を組み合わせて新しいアイデアを生み出すテクニックです。既存の要素の組み合わせが、独自の強みをもつ新商品の開発につながります。
複合連結法は以下のような流れで実施します。
- 単語帳や紙の切れ端などの小さな用紙を準備する
- 用紙に思い浮かんだ単語を1つずつ記入する
- ランダムに2つの用紙を選択する
- 用紙に書かれている単語を組み合わせた新しいアイデアを考える
たとえば、PCマウスと健康の単語を組み合わせて、「握っているだけで心拍数・ストレス値・体温を測定し、健康状態をPC画面で可視化するマウス」のような商品を考えます。
自社ブランドや商品の方向性がすでに固まっている場合など、既存の要素やキーワードをもとに具体的な商品像を検討したい場面では複合連結法を試してみましょう。
ブレインライティング
ブレインライティングは、複数人のメンバーで紙に書いたアイデアを回して中身を深めていく手法です。発言が苦手な方でも紙に書く形式であれば自分のペースで思考をアウトプットできるため、ブレインストーミングで沈黙しがちなメンバーからもアイデアを引き出しやすくなります。
ブレインライティングの手順は、以下のとおりです。
- 横に3マス、縦に複数行を並べた表形式の用紙を作成する
- テーマと制限時間、記入する順番を決める
- 1行目の3マスそれぞれに自分のアイデアを記入し、時間がきたら隣の人に回す
- 受け取った人は前の人が書いたマスのすぐ下の行に、自分のアイデアを3つ付け加える
- 全部のマスが埋まるまで3~4を繰り返す
- 記入したアイデアについて意見交換をして評価の高いアイデアを選定する
全員が平等に参加しながら連想ゲームのようにアイデアを膨らませられるため、チームの知恵を結集させた意外性のあるアイデアが生まれる可能性があります。
オズボーンのチェックリスト
オズボーンのチェックリストは、一つのアイデアやテーマに対して9つの質問を投げかけることで、発想を広げる手法です。ブレインストーミングの考案者であるA・F・オズボーン氏によって提唱されました。
オズボーンのチェックリストは、以下のように視点を変えて新しい切り口を見つけ出せるため、アイデアに行き詰まった際に役立ちます。

たとえば、傘をテーマにすると以下のようなアイデアが生まれます。
- カバンに入れて常に持ち運べるよう、骨組みを工夫して折りたたみ傘にする(縮小)
- 閉じるときに濡れた面が内側になるように構造を逆転させ、車や服を濡らさない逆さ傘にする(逆転)
リストに沿って考えることで、多角的な視点で商品の改善案や新機軸を検討できます。
SCAMPER(スキャンパー)法
SCAMPER(スキャンパー)法は、オズボーンのチェックリストをもとにアメリカの研究者ボブ・エバールが作り出した発想の幅を広げる手法です。
以下の7つの質問項目の頭文字をとって「SCAMPER法」と命名されています。

たとえば、ボールペンにボイスレコーダーの機能を組み合わせて、録音できるペンにするなどのアイデアが生まれます。商品やサービスを7つの切り口で変化させることで、短時間で多数のアイデアを生み出せます。
7つの不
7つの不とは、顧客が日々の生活で抱えているネガティブな感情を探し出し、それを解消する新しいアイデアを創出する方法です。
以下のような「不」がつく7つの項目で、顧客が不満を抱える要素を洗い出します。
「不」がつく7つの項目

たとえば、自分で床の掃除をするのが面倒と感じる不精を解決するために、自動で部屋を掃除するお掃除ロボットを開発するなどのアイデアが生み出せます。
顧客が抱える課題の解決につながるアイデアは、ヒット商品開発の第一歩となるでしょう。
マンダラート(マンダラチャート)
マンダラート(マンダラチャート)は、9マスのグリッドを使って中心のテーマから周辺へとアイデアを放射状に広げていく思考整理法です。
以下のように中心のマスに「開発したい商品のテーマ」を書き、周囲の8マスに関連するキーワードや解決策を埋めていきます。

また、8つのキーワードを新たな中心として周りにマス目をつくり、さらに深掘りしていくことも可能です。抽象的なテーマを具体的な要素に分解でき、商品開発のアイデアが広がります。
商品開発のアイデアの質を高めるコツ

商品開発のアイデアの質を高めるためのポイントは、以下のとおりです。
- 専門家の知見を取り入れる
- ターゲットユーザーの反応を確認する
- 長期的な視点で考える
それぞれの内容を解説します。
専門家の知見を取り入れる
自社のリソースだけで完結させず、外部の専門家の知見を取り入れることで、商品開発のアイデアの質を高められます。第三者の視点を入れると、社内では気づけなかった市場のニーズや最新技術の応用方法などが見えてくるからです。
たとえば健康に関わる商品を開発したい場合、医師の知見を取り入れることで病院にかかる人がどのような悩みや不安を抱えているのか明確にできます。
また、消費者の悩みや不安を解決する商品のアイデアを生み出せるだけでなく、専門家からの客観的なフィードバックも得られます。
健康商品やヘルスケアに関わる商品開発で医師の知見を取り入れたい場合は、AskDoctors総研にご相談ください。国内の医師の9割以上が登録するプラットフォーム「m3.com」の基盤を活かし、商品開発に協力する医師の紹介や医師へのアンケート調査などを行っています。
専門医の知見にもとづいた商品のブラッシュアップと、客観的な評価による消費者からの信頼獲得を同時に実現できます。

ターゲットユーザーの反応を確認する
ターゲットとなるユーザーの反応を確認することも、アイデアの質を高めるうえで有効です。企業側と顧客側の認識にギャップがないかを判断できるため、市場のニーズとのズレを早期に修正して商品の価値を向上させられます。
具体的な調査方法としては、試作品を実際に体験してもらったうえで、インタビューやアンケートを通じて率直な意見を収集する手法が挙げられます。
ひとりよがりなアイデアになっていないかをチェックし、収集した顧客のリアルな声を反映させましょう。得られたフィードバックをもとに、仕様の改善や細かな調整を繰り返して商品の質を磨き上げることで、商品開発が成功する可能性が高まります。
長期的な視点で考える
アイデアを評価する際は、長期的な視点で考えることが重要です。直近のトレンドや話題性に特化した商品は一時的に売れる可能性はありますが、ブームが去れば安定した収益源にはなりにくいためです。
また、自社のブランドイメージと合わない商品を出すことで、既存の顧客が離れてしまうリスクもあります。「この商品は3年後、5年後も顧客に必要とされているか」「会社の将来のビジョンと矛盾していないか」などの視点を用いて良いアイデアを見極めましょう。
アイデア出しのテクニックを活用して商品開発を成功させよう

質より量を重視するブレインストーミングや、視点を変えるSCAMPER法などを活用すれば、独創的なアイデアが生まれやすくなります。アイデアを広げた後は、そのアイデアが本当に市場に受け入れられるか、商品が長期的に必要とされるかなどを検証しアイデアの質を高めていくことが重要です。
また、専門家の知見を取り入れることで、市場に受け入れられる商品を開発しやすくなります。とくに、健康食品やヘルスケアに関わる商品の開発において、医学的な根拠や専門的なアドバイスは商品の信頼性を大きく左右する重要な要素です。
AskDoctors総研では、34万人以上の医師会員の中から、自社の商品開発に協力してくれる医師を探せます。専門家の客観的な意見を取り入れ、商品開発を成功させたいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
