【2024年ふりかえり】3大トレンドから読み解く、ヘルスケア商材における未来の戦略とは?

2024年、ヘルスケア市場は外部環境の影響を受け、トレンドも移り変わっています。 2024年を象徴する “3つのメガトレンド”である「脅威への備え」「デジタルヘルスの日常化」「物価高がもたらす新たな消費価値」を深掘りすることで、消費者の意識と行動の変化を明らかにします。
これからの企業に求められる「真の価値提供」とは何か。 未来のビジネス戦略を構築するための本質的なインサイトを解説し、消費者の「信頼」を勝ち得るための戦略的ヒントをお届けします。
2024年のヘルスケアふりかえり
2024年のヘルスケア市場は、外部環境の大きな変動を受け、いくつかのトレンドが形成された一年でした。 本コラムでは、その特徴的な動向を「3つのトレンド」として集約し、これらの詳細を深掘りします。
事例や詳しい内容はこちらのホワイトペーパーをご覧ください。
第一章:「脅威への備え」意識の定着
「もしも」への備えが新常識に
2024年は、年始の石川・能登半島地震や頻発する南海トラフ地震関連の情報、記録的な猛暑や大雨といった自然災害、そして年末年始には過去10年で最多となったインフルエンザの流行(※1)など、私たちの生活を脅かす様々な事象が相次いだ一年でした。これらの出来事は、テレビやインターネット、SNSを通じて連日報道され、多くの人々にとって「もしも」の事態がより身近で現実的なものとして認識されるきっかけとなりました。
※1 国立感染症研究所「インフルエンザ過去10年間との比較グラフ」より引用
その結果、かつては特別な準備と捉えられがちだった災害や健康危機への「備え」が、日常生活の中で当たり前に行うべき「新常識」として意識されるようになったと言えます。
具体的には、各家庭での防災用品の点検や買い足し、賞味期限の長い食料品を日常的に消費しながら備蓄する「ローリングストック」の実践(※2)、さらには感染症対策グッズの常備といった行動がみられるようになりました。社会全体で危機管理意識が高まり、具体的な「備え」へと行動が移されたことは、2024年の顕著な特徴と言えるでしょう。
※2 株式会社mitoriz「防災に関するアンケート調査(2024年)」より引用
この「備え」をキーワードに、消費者のインサイトを深掘りすることが、企業にとって次なる一手を見出すきっかけとなります。

「健康」も「備える」時代
「備え」に対する意識の高まりは、物理的な対策だけでなく、私たち自身の「健康」に対する向き合い方にも大きな変化をもたらしました。特に、感染症の流行や異常気象による体調管理の必要性から、免疫力を高めるための食生活への関心が高まりました。2024年は、病気になってから治療するのではなく、日頃から健康リスクに備え、心身のコンディションを良好に保つ「予防」の重要性が一層強く認識された年と言えます。
2024年に実施された、全国20~69歳を対象にした調査によると、40%以上の人が体調管理や免疫ケアに役立つ食品・飲料を意識して摂取していることがわかりました。(※3)また日々の“免疫ケア”として注目されている、納豆や味噌といった発酵食品を通じた「腸活」は、30代女性を中心に幅広い世代で実践されています。(※4)
※3 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 「【健康関連食品に関する調査】約1700人のV会員に聞いた!40%以上が体調管理・免疫ケアに役立つ食品飲料を意識的に摂取?」より引用
※4 株式会社日本能率協会総合研究所 「健康ニーズ基本調査2024」より引用

第二章:「健康×デジタルヘルス」の日常化
進化するパーソナル管理ツールで“健康”の見える化
さらに、予防的な健康意識を後押ししたのがデジタルヘルスの普及です。ウェアラブルデバイスや健康管理アプリを通じて自身の健康状態を数値で把握し、主体的に生活習慣の改善や予防策を講じる動きが加速しました。
これらのデバイスは、歩数や消費カロリーといった活動量データはもちろん、睡眠の質、心拍変動、血中酸素レベル、皮膚温度など、より詳細かつ多岐にわたる生体情報を24時間体制で自動的に記録・分析します。記録されたデータを分かりやすく可視化するだけでなく、AIを活用して専門的な知見に基づき個々の状態に合わせた改善プログラムの提案も可能とします。
また、従来の多機能なスマートウォッチに加え、より小型で違和感なく装着できるスマートリングといった新しい形態のデバイスも次々と発表され、選択の幅が大きく広がりました。
例えば、身近なサービスですと以下の通りです。
- AI栄養士によるパーソナル食事指導アプリ
- 睡眠の質向上に特化したスマートリング
- 高齢者向けアクティブ見守りサービス(転倒検知や離床センサー)
- 健康増進を目的とした旅行やレクリエーションサービス など
メンタルヘルスケアに関しても、アプリを活用したサービスが増加しています。
- AIチャットボットによる24時間メンタルサポートアプリ
- 感情・ストレスを見守るメンタルウェルネスウォッチ
- 瞑想やマインドフルネスの実践をサポートするアプリ
- 認知行動療法(CBT)に基づくセルフヘルププログラムアプリ
これらのツールは、ユーザーに自身の状態への「気づき」を与え、具体的な行動変容を促すサポーターとして強力に機能しています。企業にとっては、進化するツールとの連携や、そこから得られるデータを活用した新たな健康増進サービスの開発が、今後の大きな事業機会となるでしょう。

第三章:「物価高」がもたらす新たな消費価値
消費意識の変容、“映える”自己投資
2024年も継続した物価高は、家計を圧迫し私たちの消費意識に変化をもたらしました。 2023年に実施した政府の調査によると、約6割の方が「生活が苦しい」と感じており、特に高齢者や児童のいる世帯でその傾向が強く見られます。(※5) その結果、消費者は日々の支出に対してより慎重になり、「本当に必要なものは何か」「価格に見合う価値があるか」を厳しく見極めることが必要となり、企業は真の価値訴求を迫られました。
※5 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」より引用
また、全般的に物価高による節約志向の一方で、2024年は特にSNSを起点とした新たな消費動機が注目されました。 象徴的だったのは、「アサイーボウル」や「グリークヨーグルトボウル」、「火鍋」といった、 “健康的でありながら写真映えする食”に関するSNS投稿です。
この背景には、特に20代を中心とした若年層において、「健康意識」がライフスタイルの一部としてトレンド化し、 自己表現や体験共有のツールとしてヘルスケア関連消費が捉えられている実態があります。 彼らは商品の機能性だけでなく、それがもたらす「特別な体験」や「共感できるストーリー」、 さらにはSNS上で「映える」といった付加価値にも支出を惜しまない傾向を見せました。
健康への支出を将来への「自己投資」と捉え、生活の質(QOL)を高めるために積極的な選択をするといった、新しいヘルスケア観の表れとも言えるでしょう。

新しい選択基準“価値ある健康”
2024年、私たちは自己の健康を守ることの重要性を再認識し、日々の生活の中で「予防」や「コンディション維持」の意識は不可欠なものとなりました。人々の健康に対する関心の高さは一過性のブームを超えて、生活に深く根付いた価値観としてより一層定着したと言えるでしょう。 実際に、健康関連商品やサービスにかける費用が増加しているという調査結果もでています(※6)単なる節約志向とは一線を画し、真に価値を感じれば積極的に投資するという消費行動が明確になりました。
※6 株式会社ハルメク・エイジマーケティング「【健康に関する意識と実態調査 2024】」より引用
つまり、価値を感じるものには支出を惜しまない「メリハリ消費」の傾向が強まっています。消費者は、もはや「何となく良さそう」という曖昧な情報ではなく、自身の健康課題に真摯に向き合い、具体的なベネフィットを期待できるソリューションを求めています。
購入前の情報収集はより念入りになり、口コミや専門家の意見など、信頼できる情報源の重要性が増しています。 企業にとっては、価格戦略だけでなく、商品やサービスが提供する真の価値をいかに的確に伝え、 消費者の信頼を得るかが、これまで以上に問われる時代になったのです。
ヘルスケアマーケティングなら34万人以上の医師会員を有するAskDoctors総研
ここまで、2024年のヘルスケア動向に注目し、キーワードから消費者の動向を解説しました。次に検討すべきことは「商品やサービスに対する消費者の信頼を得ること」、つまり、「消費者に分かりやすくその機能性を伝えること」です。
ここでは、AskDoctors総研で支援できる施策を一部ご紹介します。
「医師推奨」の認定マーク(AskDoctors評価サービス)
「医師が推奨する商品・サービス」とは、医師が特定の商品やサービスを客観的に評価し、その価値を認めた商品・サービスのことを指します。AskDoctors総研では、「m3.com」の会員医師が、商品に対して客観的に評価を行い一定の基準を満たした場合にのみ「医師の確認済み商品」として、使用可能な認証マークが付与されます。現在に至るまで100を超える多くのブランドで活用されています。
※参照※ AskDoctorsマーク認定取得企業インタビュー
この評価は、健康のプロである医師が製品やサービスの科学的な根拠を基に行うため、消費者にとって信頼できる情報源となります。機能性を訴求する商品が多く販売されている中、医師推奨をマーケティングに活用することで、商品の差別化やブランドの価値向上に寄与します。
※参照※ 認定マーク「医師推奨とは?」

商品開発支援
「商品開発支援」とは、新しい商品の開発において、その商品の企画・設計から市場に展開するまでの一連のプロセスの中でその実現を後押しします。AskDoctors総研は、医療や健康に関する商品やサービスの開発を強みとしており、市場の需要調査をはじめ医師監修など専門的な知識や見解を活かして支援します。
また支援はもちろんのこと、昨年は初めて自社商品として「お医者さんのおせんべい」を開発をしました。薬局や老人施設などの店頭をはじめ、オンラインでの取り扱いも行っており、シニア層を中心に好評いただいています。

医師監修が入ることで、商品やサービスに対する信頼性や安全性が高まり、消費者にとって安心して利用できるものとなります。特に健康機能をもつ商品やサービスにおいては、医師監修の重要性が高いと言えるでしょう。
※参照※ 「医師監修とは?」
AskDoctors総研は、医師の知見を活かし消費者に正しい商品情報を伝えるマーケティング・商品開発の支援を行っています。その基盤となるのが、34万人以上(国内の医師9割以上)の医師会員を有する日本最大級の医療従事者向け専門サイト「m3.com」です。これまでm3.comで保有する業界最大級の医師のネットワークを活かして、多くの商品やサービスの販促、商品開発の支援を実施してきました。
ご興味をお持ちいただいた場合は、相談ベースから出構いませんので、ぜひお気軽にAskDoctors総研へお問い合わせください。