感性的な「握り心地」を評価
"第三者目線"で訴求しやすく

エレコム株式会社 コンダクションデバイス課
I/Oデバイスチーム チームリーダー 古畑義矢さん

認定製品概要

エレコム
マウス「EX-G」シリーズ

ヒトの手の骨格や筋肉の構造に基づいてデザインされたPC用マウス。マウスを握る、左右に動かす際に、最も使用頻度の高い親指と薬指に着目し「握りやすさ」を徹底追及。手の大きさによって選択できるよう、大中小の3サイズを展開。

手の動きに合う形状の追及、自社初の複数サイズ展開

ー何時間もパソコンで作業をする現代人にとってマウスは必須アイテム。「握り心地」にこだわった製品開発の背景について教えていただけますか。
古畑さん: 当社の製品開発において、以前は「デザイン重視」でした。有名なデザインオフィスとコラボした製品の展開や、さまざまなコンテストにおいて入賞した製品も多くありました。ただ、デザインが良ければ売れるというわけでなく…。デザインと機能のバランスがとれた製品が以前は少なかったのです。
方向性を模索する中、世の中に目をやると、ITの普及によりパソコンの使用時間、つまりマウスの使用時間は増加傾向にあります。日常的に使用するモノ、例えば靴は、足のサイズに合ったフィット感が購入の際には重要視されますよね。一方、「握り心地」を売りにしたマウスは、EX-G発売前からありましたが、本当の意味で、人間工学に基づいた製品はほとんどなかったと思います。 靴にサイズがあるように、手や指の動きに合わせた形状で、かつ手のサイズに合わせたマウスを利用者が選べるようにすることも大事 と考え、アイデアを形にしていきました。 同シリーズで大中小の3サイズを用意 したことも当社では初めての試みでした。

エビデンス取得と“医師のお墨付き”で類似商品と差別化

ーリリース後、他社から類似商品が相次いで発売されたそうですね。
古畑さん: 2013年9月の初リリース後、競合他社からEX-Gのコンセプトを真似た製品が続出。家電量販店のマウスコーナーには、似たような表記が並びました。初めて売場を訪れたお客さまから見ればどれも一緒に見えてしまう…。 2015年にリニューアル版を発売しましたが価格競争になりがち。こうした問題を解決するには、「握り心地の良さ」を何らかの形で実証し、 他社との違いを明確に示すため”信頼性のあるお墨付き” が必要だと考えるように。そこで、「エビデンス構築」による裏付けと、「医師による評価(AskDoctors評価サービス)」など、エムスリーのヘルスケアマーケティングソリューションの導入に踏み切りました。 第三者目線で評価されることで「納得感」が増すことを期待しての決断でした。

ーエビデンス構築のための評価試験で、大変だったことはありましたか?
古畑さん: 試験設計が難しかったようです。はじめは、マウス使用時の筋肉の動きに関するデータの収集を目指していたのですが、試験中のノイズを完全に除去するのは難しく、断念。そこで、2つの評価試験を実施しました。 他社の同タイプPCマウスとの握り心地を比較するテストと、3週間に渡って製品を使用してもらい使いやすさを測るテストです。結果、類似商品と比べて明らかに当社製品が良いというデータが取れました。コストをかけて開発してきた分、簡単に真似できないのだなと改めて実感。 「握り心地」という、人の感覚的な部分を数値化でき、最終的には弊社のマウスの評価が高いことが実証されたのですが、納得の結果が得られて、自信につながりました。

導入前の前年比120%の売上達成、営業担当者も手応え

ー医師による評価後、どのようなPRを実施して、どんな反響や効果がありましたか?
古畑さん: 家電量販店の店頭にデモ機を置き、握り心地を体験してもらい、パッケージは「医師100名の98%が勧めたいと評価した握りやすいマウス」というコピーだけを訴求するデザインに変更しました。エムスリーから紹介いただいた医師の宮川先生にはエビデンス構築とプロモーションにもご協力いただき、「医師が推奨」を全面的にPRするディスプレーを展開することもできました。その結果、 当社の営業担当だけでなく、量販店のスタッフもセールストークに生かしやすくなり、売上にも貢献。導入前まで停滞気味でしたが、利用後から右肩上がりに。導入後は売上120%(導入前の前年比)を達成しています。

ー「機能性」を売りにした製品のマーケティングに携わる方は、その機能の訴求方法に関し同様のお悩みをもっていらっしゃる傾向にあると思います。ご担当されている方にアドバイスをいただけませんか?
古畑さん: 製品の本当の価値を伝えるのは難しいです、言うのは簡単だけど。それが感性に訴えるような製品であればあるほど伝えるのは難しい。 それを伝えるためには、自社評価だけでなく、「第三者的なお墨付き」はポイントだと思います。1製品に対してなかなかコストを掛けられない現状はあるかもしれませんが、 自信がある商品ならば、費用をかけてでも信用のおけるデータを構築し、他社との差別化を明確にすること はプラスに働くと思います。プロモーションや製品開発など、当社として今後もさらにエムスリーや医師と連携して取り組んでいきたいですね。

認定内容

エレコム株式会社のマウス「EX-G」シリーズについて、医師100名による評価を行いました。 その結果、98%が周囲の人に「勧めたい」、96%が自身で「使い続けたい」と回答したため、「AskDoctors 医師の確認済み商品」に認定致します。

対象商品
マウス「EX-G」シリーズ
調査対象
整形外科医100名
調査時期
平成29年6月
調査方法
資料を提示した上でのWebによるアンケート調査
商品詳細
https://www.elecom.co.jp/products/M-XGM10DBBK.html
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