【注目トレンド!】2025年成長市場「アクティブエイジング」 変化するシニア層像から見えてくるヘルスケア市場の可能性

「アクティブエイジング」-この言葉が、超高齢社会である日本において、2025年のホットキーワードとしてますます注目されています。 本コラムでは、「アクティブエイジング」の定義と心身ともに健康で社会と積極的に関わる新しいシニア像を具体的に解説します。その中で 「食」と「運動」に着目し、そこから生まれる市場の可能性について深掘りします。 またAskDoctors総研で支援できる施策もご紹介していますので、商品企画・商品開発のご担当の方はぜひ参考にしてください。
アクティブエイジングの定義と背景
アクティブエイジングとは?
「アクティブエイジング」という言葉を耳にする機会が増えていませんか? これは、単に長生きすることを目指すのではなく、「年齢を重ねても、心身ともに健康で、社会と積極的に関わりながら、質の高い生活を送る」という考え方です。
アクティブエイジングの概念は、1999年の国際高齢者年や、2002年の第2回国際連合高齢者問題世界会議において、世界保健機関(WHO)によって提唱されました。世界保健機関(WHO)はアクティブエイジングを「健康、社会参加、安全の機会を最適化し、高齢になっても生活の質(QOL)を向上させるためのプロセス」と定義しています。(※1)具体的には、健康維持のための運動やバランスの取れた食事はもちろん、趣味や生涯学習への取り組み、ボランティア活動への参加、友人や地域社会との繋がりを大切にすることなどが挙げられます。
※1 WHO - Active Ageing: A Policy Framework(2002)より抜粋 https://iris.who.int/handle/10665/67215
超高齢社会である日本において、「アクティブエイジング」という概念は非常に重要であり、個人、社会、経済の各側面において多大な意義を持ちます。特に、これらの前提となる“健康であること”、つまり健康増進・疾病予防の強化はアクティブエイジングの推進にあたって引き続き取り組むべき内容であるといえます。
変化するシニア像
かつてのシニア像は「隠居」という言葉に代表されるように、社会の一線から退き静かに余生を過ごすというイメージが一般的でした。しかし現代では、特に「団塊の世代」以降のシニア層を中心に、定年後も社会と積極的に関わりたいと考える「生涯現役」志向の人が増えています。彼らは健康寿命の延伸を背景に、学習意欲や活動意欲が高く、新たな知識やスキルの習得、趣味や社会貢献活動への参加に積極的です。
この変化は、商品企画や商品開発の担当者にとって、新しい市場機会の宝庫となるでしょう。
(図① 労働力人口の推移)令和5年 総務省「労働力調査」より一部引用

令和5年の労働力人口は、約7,000万人です。このうち、65~69歳が約400万人、70歳以上が約540万人を占めています。労働力人口総数に占める65歳以上の割合は約40年で13.4%に達し、この数字は長期的に上昇傾向であることを示しています。
「人生100年時代」と言われる現代において、シニア層は単に支えられる側ではなく、経験や知識を活かして社会の担い手として活躍し続ける、活動的で意欲的な存在へと変化しています。このような変化するシニア層の価値観やライフスタイル、内面的な欲求(インサイト)を捉えることが、今後の社会やビジネスにおいて成功を収めるための重要な鍵となるでしょう。
アクティブエイジングが創出する市場
アクティブエイジングとは、年齢を重ねても心身ともに健康で、社会と積極的に関わり、質の高い生活を送ることを目指す考え方です。その実現において、日々の「食」と「運動」は極めて重要な役割を担っています。
「食」が創出する市場:健康寿命延伸と新たなニーズ
バランスの良い食事は、健康な身体機能の維持に不可欠です。特に、高齢期は筋肉減少(サルコペニア)や虚弱(フレイル)を防ぐための良質なタンパク質が、骨粗しょう症予防にはカルシウム、ビタミンD・Kの摂取が重要です。 このように加齢に伴う身体の変化に対応した栄養摂取は、アクティブエイジングの基盤といえます。
例えば、身近な商品やサービスですと以下のような商品やサービスが挙げられます。
- 手軽に栄養バランスを整えられる機能性食品や完全栄養食品
- 個々の健康状態や嗜好に合わせたパーソナライズド食品・栄養サポートサービス
- 高齢者でも調理しやすく手軽、かつ栄養価の高いミールキットや宅配食 など
健康的な食生活を支援するビジネスは、アクティブシニアの社会参加を後押しし、経済活動の活性化にも繋がります。
「運動」が牽引する市場:活動的なライフスタイルと関連事業
適度な運動は、筋力維持、心肺機能向上、生活習慣病予防、そして精神的な充足感にも貢献します。筋力トレーニング、有酸素運動、バランス運動、柔軟運動などを生活に取り入れることは、アクティブエイジングを実現するための必須要素と言えるでしょう。
この「運動」の分野でも、商品企画や商品開発の視点から様々な可能性がみえてきます。例えば、身近な商品やサービスが考えられます。
- シニア向けのフィットネスクラブや運動プログラム
- 転倒予防など安全かつ効果的に運動をサポートする運動ウェアや健康器具
- 健康増進を目的とした旅行やレクリエーションサービス など
運動を通じて得られる体力や自信は、趣味や社会活動への参加意欲を高め、消費行動にも好影響を与えるでしょう。

アクティブエイジングの視点で捉える「ビジネスのヒント」
このように、アクティブエイジングにおける食と運動の重要性は、個人のウェルビーイング向上と、市場における「新たな価値創造」という二つの側面から捉えることができます。
アクティブエイジングの視点は、ビジネスにおいても新たな価値創造の大きなヒントとなります。シニア層がより活動的で豊かな生活を送るために「何があればもっと便利になるか」「どんな課題を解決できるか」を深掘りすることで、これまでにない商品やサービスを開発するきっかけになるでしょう。これからのヘルスケア市場において、アクティブエイジングを後押しする商品開発は、高齢化が進む日本社会においてますます重要となり、企業の持続的な成長にも繋がるはずです。
AskDoctors総研でできること
ここではAskDoctors総研で支援できる施策を一部ご紹介します。
AskDoctors総研は、医師の知見を活かし消費者に正しい商品情報を伝えるマーケティング・商品開発の支援を行っています。その基盤となるのが、34万人以上(国内の医師9割以上)の医師会員を有する日本最大級の医療従事者向け専門サイト「m3.com」です。m3.comで保有する業界最大級の医師のネットワークを活かして、これまで多くの商品やサービスの販促、商品開発の支援を実施しています。
「医師推奨」の認定マーク(AskDoctors評価サービス)
「医師が推奨する商品・サービス」とは、医師が特定の商品やサービスを客観的に評価し、その価値を認めた商品・サービスのことを指します。AskDoctors総研では、「m3.com」の会員医師が、商品に対して客観的に評価を行い一定の基準を満たした場合にのみ「医師の確認済み商品」として、使用可能な認証マークが付与されます。現在に至るまで100を超える多くのブランドで活用されています。
※参照※ AskDoctorsマーク認定取得企業インタビュー
この評価は、健康のプロである医師が製品やサービスの科学的な根拠を基に行うため、消費者にとって信頼できる情報源となります。機能性を訴求する商品が多く販売されている中、医師推奨をマーケティングに活用することで、商品の差別化やブランドの価値向上に寄与します。
※参照※ 認定マーク「医師推奨とは?」

商品開発支援
「商品開発支援」とは、新しい商品の開発において、その商品の企画・設計から市場に展開するまでの一連のプロセスの中でその実現を後押しします。AskDoctors総研は、医療や健康に関する商品やサービスの開発を強みとしており、市場の需要調査をはじめ医師監修など専門的な知識や見解を活かして支援します。
また支援はもちろんのこと、昨年は初めて自社商品として「お医者さんのおせんべい」を開発をしました。薬局や老人施設などの店頭をはじめ、オンラインでの取り扱いも行っており、シニア層を中心に好評いただいています。
医師監修が入ることで、商品やサービスに対する信頼性や安全性が高まり、消費者にとって安心して利用できるものとなります。特に健康機能をもつ商品やサービスにおいては、医師監修の重要性が高いと言えるでしょう。
※参照※ 「医師監修とは?」

まとめ
アクティブエイジングとは、高齢期も健康で活動的な質の高い生活を目指す、現代において極めて重要な考え方です。 かつてのイメージから脱却した現代のシニアは、生涯現役を志向し、意欲的に社会と関わる存在へと大きく変化を遂げました。 彼らの多様な価値観やライフスタイルこそが、新しい市場やビジネスチャンスを創出する原動力と言えるでしょう。 特に健康寿命の延伸に欠かせない「食」と「運動」の分野では、関連する商品やサービス市場が着実に拡大しています。 このアクティブエイジングという視点は、今後の新商品開発における鍵であり、ヘルスケア市場全体の持続的な成長にも不可欠です。 AskDoctors総研は、医師の専門的知見に基づき、企業のこうした前向きな取り組みを支援しています。
医師推奨の認定マークや商品開発にご興味をお持ちいただいた場合は、相談ベースからで構いませんので、ぜひお気軽にAskDoctors総研へお問い合わせください。